医療統計学を学ぶ大学生のブログ

医療統計学、因果推論を専攻しています。R, SASユーザーです。

YBS勉強会:『宇宙怪人しまりす』4月まとめ

 

 

 ロスマンの疫学の輪読を行う一部メンバーとは別に、今週からは1,2年生を中心とした計6名での「宇宙怪人しまりす」の輪読もはじまりました。この記事はその初回まとめです。

 もし横浜市立大学生で勉強会の活動に興味がある方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。またYBSというサークル自体についてはこちらに詳細をまとめてあります。

 

 

「宇宙怪人しまりす」について

 「宇宙怪人しまりす」は、京都大学大学院の医療統計学教授(2021/06/30時点)である、佐藤俊哉先生によって執筆され、長年にわたって医療統計を学ぶ学生の最初の一歩として親しまれてきた名著の一冊です。

 

 この本は、疫学や医療統計学が発展せず困っている、りすりす星に住んでいた「宇宙怪人しまりす」が、大学で医療統計を教えている「先生」のもとに襲来し、対話形式で医療統計を学んでいくという流れで進んでいきます。

 この「先生」が大学教員であり、学生を教えているというストーリー上、他の本では〇〇章となるところが4月、5月・・・という月の表現になっています。

 

4月 あっちの星から来ました

宇宙怪人しまりすの一番はじめの章となる、「4月 あっちの星から来ました」では、大きくは割合、比、率の使い分けに関して議論がされています。

 

内容まとめ

 疫学、医療、統計といった分野では割合、率、比は区別される。

 

  •  割合(Proportion)

 ➢ ある部分集団がその全体集団に占める大きさ
 ➢ 分子は分母に含まれる
 ➢ 分子と分母の単位は同一なので、無次元量になる
 ➢ 0~1 の範囲をとる
 例)日本の男性の割合

 

  •  率(Rate)

 ➢ 単位時間あたりのイベント発生数、
 ➢ 時間(スピード)の概念を含む
 ➢ 0~∞までの範囲をとる
 ➢ 人年法による計算が一般的(後述)

 

  •  比(Ratio)

 ➢ 互いに相手を含まないものを分数の形にしたもの
 ➢ 分子と分母の単位は異なっていてもいい
 ➢ 一般には次元はある
例)BMI

 

  • 人年法による率の計算

 ➢ イベント発生数 / at risk 時間の総和
 ➢ 単位はなんでも構わないが、月や年が使われることが多い(アウトカムの発生頻度によって変化)

 

補足:疾病頻度の指標

  • 発生(Incidence)

 ➢ イベントが起きたかどうか
 ➢ 発症、罹患と呼ぶことも

  • 有病(Prevalence)

 ➢ 病気であるという“状態”
 ➢ ある時点で病気であること

 
注意
・ 3 つの言葉の意味は明確に異なるが、医療統計の分野でも表記と意味が一致しないことも
例)有病率(正確には割合)

 

初回の感想、今後の活動方針

 1, 2年生を中心とする勉強会の開始は本日が初回でした。学年を気にすることなく質疑応答ができた点は非常に良かったと思います。この辺りは少人数の輪読会の強みかなと考えています。

 

 また、初回のみ本ブログを書いている鈴木が発表担当となりましたが、次回以降は基本的に1, 2年生が担当部分に関しての発表を行い、僕をはじめとする上級生が補足等を行う予定です。また、通常版のしまりすのしまりすが終了した後は、検定の巻、臨床研究の道標等の輪読になるかと現段階では考えています。